中小企業の銀行対応には、ひとつの「あるある」があります。試算表と受注明細を渡せば、担当者が資金繰り表を作って稟議に回してくれる——そういうケースが実際に多い。担当者が親身で、自社の数字をよく理解してくれているなら、それで融資が通ることもあります。
業績が安定しているとき、担当者は自社の数字を理解して稟議に回してくれる。これが「中小企業あるある」の銀行対応です。
赤字・リスケ・外部ショック——こういう場面では、担当者が「通したい」と思っても審査部門に説明できる材料がなければ動けません。武器は、こちらから渡す必要があります。
銀行の融資判断は窓口の担当者ではなく本部の審査部門が行います。担当者は社長の味方になりたくても、数字で裏付けられた資料がなければ「社内で戦えない」のです。
では、ピンチのときに何を渡すのか。2026年4月の実例を、そのままお伝えします。
愛知県の工務店。リスケ開始から1年半。
そこへナフサショックという追い打ち。
個人向け施工が中心の工務店(年商数億円規模)。返済の見直し(リスケ)を始めてから約1年半が経っていました。数字は少しずつ回復の方向に向かっていた——そのタイミングで、ナフサショックによる資材の調達難・価格急騰が直撃しました。
「リスケ中なんだから融資なんて無理でしょ」——そう思うのが普通です。しかし私はそう考えませんでした。数字で説明できれば、担当者は聞いてくれると確信していました。
まず、電話から入りました。
いきなり窓口に書類を持ち込むのではなく、リスケ時の担当者に電話でアプローチすることを提案しました。「リスケ中でも受け付けてもらえるかどうか」という不安を先に解消するためです。
電話口で何を伝えるか——スクリプトを事前に準備しました。伝えた内容の骨格はこうです:
① ナフサショックがなければ、今期の資金繰りは安定してきていた見込みだった
② しかしナフサショックの影響で工期が延びた場合、損益・資金繰りともに相当悪化するシナリオがある
③ ①②それぞれを数字で説明できる資料を既に作っている。12ヶ月先まで見ている
担当者は丁寧に話を聞いてくれました。そして、「なるほど、この状況こそセーフティネットの融資を出すべき事案だ」という判断をしてくれたのです。
担当者の「武器」として渡した4つの資料
電話の後、担当者に相談中であることを明記してネットで資料を提出しました。用意した資料はこの4つです。
そして、担当者はこう言いました。
現在、融資実行を前提とした最終段階(追加資料の確認程度)まで進んでいます。申込額はやや高めのボールを投げたため減額調整の可能性はありますが、「リスケ中だから無理」は思い込みでした。
数字がある。だから話しができるんだな。
——工務店の社長がつぶやかれた言葉。すごく真に迫っていた。
数字で全部説明できたから、担当者が「戦える」と言ってくれた。
「リスケ中です」という事実は変えられません。でも担当者が審査部門に対して言えるかどうかは、「説明できる数字があるかどうか」で変わります。
今回効いた核心は2点です。「ナフサショックがなければ数字は安定してきていた」を資料で証明できたこと、そして「ショックが来たらこういうピンチになる。だから今、資金の手当てが必要なんです」という因果を、2種類の資金繰り表で完全に納得してもらえたことです。
担当者に必要なのは感情的な訴えではありません。審査部門に持ち込める「材料」です。資金繰り表があること、損益の見通しがあること、外部要因の裏付けがあること——このサイトで繰り返し言っている「数字があれば話しができる」の意味が、まさにここにあります。
試算表と受注明細だけでは足りません。ピンチのときこそ、担当者の武器を一緒に作る必要があります。
「今の状態で融資は取れるか」「何を準備すればいいか」——
まずは現状をお聞きするところから始めます。
資金繰り表がない・数字に自信がない、そこからでも大丈夫です。
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合同会社Properly 代表社員:佐藤 崇
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