このページはイラン情勢による建設・土木業への影響を受けている経営者向けに、実務で使える情報を無料提供しています。

建設・土木業 経営者向け 情報提供

イラン情勢と建設・土木業——
今、経営者が動くべき2つのこと

① リスケ中でも融資を受けられるケースがある(セーフティネット5号)
② 施主に追加請求をするなら、合意書の使い方に注意が必要

資材の高騰、工事の遅延・停止——建設・土木業の経営者にとって、この数ヶ月は判断の連続です。
「資金が持つか」「施主に追加をお願いできるか」——どちらも正解がわかりにくい問題です。

このページでは、その2つについて実務的な情報と書類を無料で提供します。
特定の状況に限った話なので、条件の確認だけは必ずお読みください。

"

数字がある。だから話ができるんだな。

工務店社長がつぶやかれたこの言葉は、すごく真に迫っていた。

THEME 1

リスケ中でも動ける融資がある——
「ナフサショック対応融資」はまだないが、使える制度はある

「ナフサショック対応融資」という名の制度は、今のところ出てきていません。
政府が「在庫はある。問題は流通段階の目詰まりと買い占め」という立場を崩さない以上、コロナ融資のような専用制度は近々では出てこないでしょう。

その中で、実質的にナフサショック等の影響に対応できる融資として使えるのが以下の2つです。

a. セーフティネット保証5号

民間金融機関経由で申請。市区町村の認定を経て信用保証協会が保証。通常の保証枠とは別枠で借入できる。

b. 経営環境変化対応資金(日本政策金融公庫)

公庫の直接融資。外部環境の変化により一時的に業況が悪化している企業が対象。今回の状況に適用できるケースがある。

2026年4月20日 実際の出来事

リスケ中の企業の社長に同行し、日本政策金融公庫の窓口で以下の説明をしました。
担当者からは「今相談してくれてご賢明です」という言葉が返ってきました。融資の検討が始まっています。

「うちはリスケ中だから無理でしょ」とあきらめなくていいです。

そのときに使った説明の骨格はこうです:

a. ナフサショック等がなければ、今期の黒字確保は見込めている。資金繰りも安定する見込みだった。
b. しかしナフサショックの影響で——例えば3ヶ月工事が止まった場合——損益も資金繰りも相当悪化する。
c. aとbを数字で説明できる資料は既に作っている。資金繰り表は12ヶ月先まで作っている。

「数字がある。だから話ができるんだな。」——工務店社長がつぶやかれたこの言葉は、すごく真に迫っていた。

⚠️ セーフティネット融資を使える会社の条件

制度は「公庫ルート」と「民間ルート」で異なります。

🏦 公庫ルート|経営環境変化対応資金(公庫の直接融資)

  • 原材料・エネルギーコスト高騰など外的要因で業況が悪化している
  • 売上が前期比5%以上減少、または売上高総利益率・営業利益率が前期比5%以上減少
    ※ ナフサショックで売上は維持できていても、利益率が落ちていれば対象になりうる。

🏢 民間ルート|セーフティネット保証5号(保証協会の保証+民間銀行の融資)

  • 業種が指定業種に含まれている
    ※ 四半期ごとに更新。中小企業庁の最新一覧を必ず確認。
  • 【イの類型】最近3か月の売上が前年同期比5%以上減少
  • 【ロの類型】仕入価格が20%以上上昇 かつ 売上に占める仕入割合が20%以上
    ※ ナフサショックはこちらが該当しやすい。売上減少の要件なし。

リスケ中の場合の取り扱いは公式には明記されていません。ただ、「数字で説明できる状態」であれば、審査に乗せてもらえる可能性がある——このページの4月20日の実例が、まさにそれです。まず、数字を整えることから動き出しませんか。

「損益・資金繰りを、根拠をもって説明できる」——これが最大のポイントです。数字が見えていることが、この大ピンチで武器になった実例です。

4月20日の事例で、公庫との交渉に向けて私が用意した資料を紹介します。
同じ状況で悩んでいる経営者の方に、少しでも光になれば——そう思って公開することにしました。

提出しなかった書類

a. 融資申込スクリプト(電話口用)

「公庫に電話するのが怖い」「何を話せばいいかわからない」——そういう社長のためにご用意しました。
「電話口ではこう話せば、まず聞いてもらえる」という台本です。読み上げるだけでOKです。

公庫に提出した書類

b. 融資依頼書(公庫あて)

担当者との面談で社長が話すための台本であり、同時に担当者が稟議に掛けやすいよう整えた文書です。
「この社長は誠実に状況を把握している」と伝わることが大事です。

c. 資金繰り表|正常版 × ナフサショック影響版

12か月先まで作成。「仮に3か月の工期遅延があったなら」という影響シナリオを正常版と並べて提示。
「ナフサショックがなければ、ちゃんと回っていたはずだった」を数字で見せます。

d. 損益計画|正常版 × ナフサショック影響版

資金繰り表と同様に、2シナリオを比較提示。「外的要因がなければ健全だった」という文脈を損益でも裏付けます。

e. 地元資材会社が作ってくれた「資材調達環境レポート」

4月1日以降に値上げした資材・受注停止になった資材の一覧。A3用紙一枚にびっしり。
地元の業者が駆けずり回って作ってくれたものです。「地元では今、こんなことになっている」——これが案外、効きました。
机上の数字より、現場のリアルが伝わったのだと思います。

c・d・eはその会社の実数値が入るため、具体的な公開はできません。
a・bは、よかったら参考にしてください。会社名・数値は「〇〇」でマスクしています。実際の数値に差し替えてご使用ください。
※ これはあくまで申込書類の「たたき台」です。最終的な内容は担当窓口・専門家とご確認ください。

なんとか、乗り切りましょう。

📄 書類を無料でお送りします

下記のお問い合わせフォームから、ご希望の書類をお知らせください。
ご記入いただいたメールアドレス宛に、折り返しお送りします。

📋 フォームご記入時のお願い

  • 「お問い合わせの内容」欄で希望の書類にチェック
    書類a(融資申込スクリプト・口頭用)
    書類b(融資依頼書・公庫宛)
  • 御社名・役職名・メールアドレスは必須です

お問い合わせフォームへ(書類請求・無料)→

※ 入力いただいた情報は、Properlyのみが管理します。第三者への提供・販売は行いません。

資料を作る時間がない方へ

a・b・cの数字を揃え、スクリプトを仕上げ、依頼書を自社用にアレンジする——それだけでも相当の時間がかかります。
現場と施主対応で手が塞がっている社長に、その余裕はないはずです。全部引き受けます。

相談する(無料)→
THEME 2

ナフサショック

施主への追加請求合意書——
難解でも、締結を勧める

標準的な建設工事契約約款(四会連合協定等)では、工事途中での実質的な請負代金の変更は「極めて困難」——この合意書の提供元の弁護士は、そう述べています。そうした知見を背景に、有り難くもこの状況に対応した合意書の雛形が公開されていますので紹介いたします。

📄

資材価格高騰に伴う追加請求合意書(ひな型)

弁護士が提供・住宅産業新聞にて公開(外部サイト)

記事・書類を見る →

ただし、「この雛形はそのままでは使えない」——これが、実際に関与(サポート業務の一環です)した私の感想です。
自社の方針を固め、法律文章に落とし込み、現場に展開していく——悩ましく難解なプロセスが必要です。
それでも、検討する価値は十分にあると私は思っています。

📋 実例|愛知県の工務店で顧問弁護士と協議した検討プロセス

この雛形を基に、実際に顧問弁護士と座って決めていった事項です。「会社としてどう考えるか」を固めないと一歩も進まない、実に悩ましい作業でした。

  1. 合意書を締結する対象先の選定
    たとえば「残工期が2か月以上ある先」など、自社の基準をまず決める必要がある。全先一律ではなく、優先順位と線引きが要る。
  2. 建設業法に基づく通知書の作成・発送
    合意書を締結する前提として、法的な通知が必要になる場合がある。弁護士と文章を詰め、発送する。
  3. 発送後の連絡・説明・面談設定
    書面を送って終わりではない。施主ごとに説明し、面談の場を作る。合意書はあくまで雛形——企業として何を取り決めるかが悩ましい。弁護士など支援者に同席してもらうことを強く推奨します。
  4. 「いくら増えたら協議の場を設けるか」の基準決め
    当初見積もり比でどの程度の原価増が生じたら追加請求の協議を求めるか。この数値をどう設定するか、社内で方針を持たなければならない。
  5. 増加分の負担割合と「見せ方」の決定
    全額施主負担にするのか、一部を自社で吸収するのか。また増加分を施主にどう提示するか——経済指標との連動案もあるが中小企業には難しく、かといって原価を丸見せにする抵抗もある。実に悩ましい。
  6. 施主への説明方法とタイミングの設計
    どう説明すれば納得してもらえるか。いつ・どのタイミングで協議の場を持つか。施主との関係性を損なわずに進めるための段取りが問われる。

🔧 施主と合意に至るための実務アプローチ

  • 書類を突然出さない。最大の失敗パターンです。まず「資材価格の状況をご報告したい」と切り出し、新聞記事や仕入れ見積書を見せながら現状を共有する。施主が状況を自分事として認識してから書類の話に進むのが鉄則です。
  • 「工務店を守る書類」ではなく「工事を止めないためのルール決め」として説明する。「ルールがなければ私どもが突然工事を中断せざるを得なくなる可能性もある」という視点で話す。上限キャップがあれば「最大でも●%以内しか追加にならない」と言えるので、この説明が通りやすくなります。
  • 署名後も月次で状況を報告し続ける。「今のところ変更の請求は不要な見込みです」という能動的な報告を続けることで、いざ追加請求が発生したときに「突然言われた」ではなく「予告通りだった」という受け止め方になります。
  • 実際に請求が必要になったときは、根拠資料とセットで書面で通知する。仕入れ先の見積書・業界統計を添えて書面で送る。口頭のみは「言った言わない」の温床になります。また追加額は「当初金額の●%です」と率で示すと施主は受け入れやすい。

⚠️ 合意書の内容については、弁護士への確認をあわせてご検討ください。このページは実務上の参考情報の提供を目的としており、法的アドバイスではありません。

数字が見えていれば、動ける。

セーフティネット5号が使えるかどうかも、施主への追加請求が通るかどうかも、
「今の資金繰りと損益がどう見えるか」で変わります。
資金繰り表がない・あっても自信がない——そういう状態なら、まずそこから一緒に整えましょう。

無料相談・お問い合わせはこちら

合同会社Properly 代表社員:佐藤 崇
相談無料・秘密厳守・強引な営業は一切ありません

🏗️
建設業・工務店向けサポート
資金繰り管理・銀行対応・事業再生まで
🔄
事業再生サポート
お金と時間の計測から動き始める
📊
資金繰り管理アウトソーシング
採算・資金繰り・銀行を全部引き取る
📋 無料相談する