freeeやMoneyForwardといったクラウド会計ソフトが、中小企業の経理現場に急速に広がっています。インターネットバンキングやクレジットカードの明細を自動で取り込み、仕訳まで提案してくれる——この仕組みが経理の省力化に資することは、間違いありません。
ところが、「導入したのに、試算表が相変わらず遅い」という声を、現場でしばしば耳にします。会計ソフトを変えれば試算表が自動で早くなる、という期待は、必ずしも現実と一致しないのです。
「156件が登録待ち」——これが現実に起きていること
原因の多くは、ひとつの画面に集約されています。
freeeの「自動で経理」機能は、銀行口座や信販系サイトから取引を自動取り込みし、仕訳の候補を提示します。しかしその仕訳を確定(登録)するのは人間の仕事です。この「確認→登録」の作業が溜まり続けると、普通預金の帳簿残高が実残高と合わなくなり、試算表は宙ぶらりんのまま完成しません。
自動取り込みと自動登録は、別物です。
freee・MoneyForwardが「自動化」してくれるのは取引の取り込みと仕訳の提案まで。科目の判断・曖昧な仕訳の確認という人間の作業は残ります。
ここに落とし穴があります。この「登録待ち」を積極的に消化していける経理担当者と、そうでない担当者がいる。世の中の半数の経理担当者はこなせても、残り半数はこなせない——私の肌感覚では、そのくらいの比率です。
経営者に伝えたい2つのこと
会計ソフトの問題ではありません。経営者の「思い込み」と「仕組み不足」の問題です。
「導入すれば楽になる」の前に、自社の経理の能力を確かめる
freee・MoneyForwardは、使いこなせる経理担当者がいて初めて効果を発揮します。導入前に「うちの経理は、毎月の登録待ちを週次で消化してくれる人間か」を確認してください。答えが「わからない」なら、まずそこから手をつけるべきです。
「登録待ち解消」の仕組みを作り、経営者が機能しているかを監視する
運用を経理に任せるのは構いません。ただし「月に一度、登録待ちゼロを確認する」という社内のルールを設け、それが守られているかを経営者がチェックする体制が必要です。試算表が毎月いつ上がるかを経営者が把握していない会社は、この仕組みが機能していないケースがほとんどです。
この2点は、freee・MoneyForwardに限らず、どんな会計ソフトを使う場合でも本質的に同じです。道具が良くなっても、使う人と仕組みが伴わなければ、数字は上がりません。
試算表が毎月早く上がる状態を、一緒に作りましょう
「登録待ちを適宜解消し、試算表の早期完成に貢献する」——この数字の困難を、私が引き取ることができます。
社内の経理体制の評価から入り、会計ソフトの運用ルールの整備、月次の数字が経営判断に使える状態になるまでの伴走まで。「試算表が上がらないから、今月の数字がわからない」——そういう状態を終わらせるお手伝いをします。
freee・MoneyForwardに限らず、今どきの会計ソフトは各社が自動取り込み機能の強化に力を入れています。どのソフトを使っている場合でも、運用の仕組みづくりからお手伝いできます。